GAS Glass Primer. 処理で被膜は形成されるのか

GAS Glass Primer.処理は火炎の中を特殊な化合物を通し、20ナノメートルオーダーの極小の球形のガラス粒子を形成し、その粒子を対象の基材に吹き付けていくイメージです。

多くの特徴があり色々な用途で使われますが、もちろん密着を上げるために使用することが多いです。

しかしちょっとした不注意で剥がれるという事例も当初多くありました。

ですから勿論原因を追究することになります。

当初私は、GAS Glass Primer.処理で、ガスバリア性を持つような被膜は形成しないと思っていたのですが

実は膜のようなものを形成するのです。

ですからGAS Glass Primerの膜とその上から施工する塗装等は当然良く密着するのです。

しかし基材とGAS Glass Primer.の膜が密着しないという事が起こります。

これは基材とGAS Glass Primer.の膜の間に密着を邪魔する何かが存在しているわけです。

介在する物。それは水、シリコンオフ等の液体です

例えば寒いときにボンネットにGAS Glasss Primer処理をすると、冷えたボンネットとGAS Glass Primer の火炎の温度差でボンネット表面に結露ができます。

これが原因。

例えば静電気を気にして、シリコンオフを切り替えた時に溶剤の飛びのスピードが遅くなり、今までどおりのタイミングでGAS Glass Primer.を施工するとまだ表面にシリコンオフが残っていて、基材とGAS Glass Primer.の被膜の密着を邪魔します。

これも原因

これらはGAS Glass Primer.の被膜の存在が分かれば解決します。

仮説としてGAS Glass Primer. の被膜の存在を疑ったことはあるのですが、決定的にGAS Glass Primerによる被膜の存在が分かったのはある事件からです。

それは、お客様がシリコンシーラーに色を塗ろうとして、GAS Glass Primer.処理をされたときのことでした。

1週間程度はそのシリコンシーラーが全く硬化しなかったのです。が、その1週間後には硬化していました。

GAS Glass Primer の被膜は湿度が劣化要因の一つです。GAS Glass Primer.処理をした後放置しておくと湿気により劣化し最終的には表面に形成した球形のガラスは消失し、元の状態に戻ります。

（※勿論、湿度により速度は変わります。）

時間の経過とともに、GAS GlassPrimer.の被膜が消失し、湿気硬化型のシリコンシーラーが固まり始めたのです。

この事が分かれば基材とGAS Glass Primer.で形成される被膜を密着させれば良いという事がわかります。

次回も色々とお伝えしたいと思います。